「子どもの名前何が良い、とかある?」みたいな話になることがある。時々。
その話は一定の周期で繰り返されるんだけど、いつも答えに窮してしまう。全く自分に子どもがいる、という事を想像できないので。
自分の血を継ぐ生き物がいる、と考えるだけで気持ち悪くなってしまう。
年齢を重ねるにつれて強化された思考だ。
この考えは妻と結婚する前に事前に伝えてある。
それでも、幼い頃(学生の時とか)は考えてた気がするが。君の名前、なんて名前だったけ?
妻は冬にまつわる女の子の名前を挙げた。双子を想定した名前らしい。
「男の子(※1)なら…」僕は天啓のようにピンと来て告げた。「未だ六ではない、と書いて『未六(ミーシックス)』はどうだろう」
まさに天啓だった。これだ!という確信(※2)があった。
想像をする。妻との子ども。三人兄妹。
長男の未六が「見て見てー!!」とボタンを押す姿を想像して。
きっと色々な人々を助ける子に育つのだろう。分裂だってするかもしれない。
そのお人好しの精神が疲弊して、どうか人を殺めませんように。どうか。
※1 「女の子で冬以外なら『未冬(みふゆ)』で良いじゃん」と言ったら苦笑いしていた。
※2 後で調べてミーシックスではなくミーシークス(Meeseeks)だった事を知る。
確信はいつだってその過ちを見過ごしやすい。