1LDK叙事詩

続ける事を目標としているので、内容については一貫性がありません。

街路樹に咲くタンタン

 

帰り道。我が家は目の前の所だったが、対向車線が視界に入り、暗がりを見つけた。もじゃもじゃ…?…ひじき?…タンタン!

 

違和感を読み取った僕は車道側を歩く妻に言葉をかけて視線を誘導してそのまま帰宅した。

 

「向こう側にいたオッサンが下半身を出していた」

 

「そんな気はしていた。ちっさいな、って」

 

僕よりしっかり確認していた事に何も言えない心持ちになる。

 

露出の可能性が高いと伝えつつも、深夜だったので酔ったオッサンが立ちションしている可能性にも言及した。男は結構やるんだよ…

妻はわざわざ人目につく所でやるだろうか、と言った。まぁ、確かに。自分が身体的に優位にある男だということに嫌な気持ちになった。

被害者側の思考に寄り添えなかったことに。

 

「通報していい?」

 

「…まだいるなら」と言った後、外を確認したがもういなかった。

 

世の中に対しての危険予知が足りてないな、と痛感した夜。