1LDK叙事詩

続ける事を目標としているので、内容については一貫性がありません。

掴んだ手をはなしたあと

昨年から部屋に居候している風船が部屋のエアコンとイチャイチャしている。

額同士をくっつけて、今にもまぐわいそうな雰囲気だ。
一緒に越してきたカレは数ヶ月前に死んだが、その事なんて最初から無かったみたいだ。


カレの最期はたぶん71.4キロが食事してるときで、急に擦り寄ってきて、71.4キロの身体に触れたらそのまま生き絶えた。

まだ少しだけ浮いていたが、食事の邪魔だな、と振り払ったら酔っ払いみたいにおぼつかない動きで、ゆら、ゆらりと落ちていった。


その時は寂しさを感じたはずだが、今目の前でエアコンと破廉恥を繰り広げている風船を見るまで存在を忘れていた。。。。