1LDK叙事詩

続ける事を目標としているので、内容については一貫性がありません。

樹を焼く

会社の人を会釈しながら追い越して職場へ向かう。背後でパン!と破裂音が聞こえた。

爆発とするならば小さいが、何かが壊れるには十分な音量が。

聞こえたが、振り向いたらとても面倒な気がしたので好奇心を抑えて職場へ向かった。

 

 

帰路。自転車を押して歩く会社人がいたので、合点がいく。人も道をいく。

「君のせいだよ」と笑いながら会社人。まぁ、疫病神みたいな所はあるな、と笑って誤魔化す。

折角なので僕も一緒に隣を歩いて帰る。途中まで同じ道だ。

 

お互いの近況を語っていると、信号無視したトラックが、子供を乗せた母親の自転車を轢く直前だった。

トラックの急ブレーキ。間一髪だった。

信号無視したトラックは自転車がそそくさと青信号を走っていくと何事も無かったかのように走り去っていった。

 

嫌なものを見たな、と肝を冷やした後、なんとなくトラックの運転手死なねぇかな、と思いながら会社人とは途中で別れた。近所で修理するらしい。